「歯茎が下がる」「歯が長くなる」ってどういうこと? 歯肉退縮について
皆様こんにちは!歯科衛生士の岡田です。
本日は患者様からメインテナンスの際に質問の多い歯肉退縮についてです。
「最近歯茎が下がってきているような気がする」
「歯が前より長くなったように見える」
「根本がしみるようになった」
「歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなった」
などと感じていらっしゃる方は要注意です。
まずはこの様に感じる理由を知っていきましょう。
歯肉が下がる原因
歯肉が下がる原因は主に3つあります。
①歯周病
歯周病は進行すると歯を支えている骨が溶かされていきます。
それにより、骨を覆っている歯肉も下がっていきます。
歯周病による歯肉の退縮を完全に止めることは難しいですが、進行を緩やかにして歯肉の退縮の速度を遅くすることはできます。
そのためには、歯科医院での定期的なメインテナンスと、ご自身での毎日のブラッシングを適切に行う必要があります。
②咬み合わせ
機能的な咬み合わせでない場合、一部の歯に力が集中してしまい、その部分の歯肉も少しずつ下がっていきます。
この場合は、矯正等咬み合わせを治すことが根本的な原因の解決になります。
③加齢
年齢とともに歯を支えている歯槽骨が痩せていくことで歯肉も下がっていきます。
退縮する歯肉は10年で2ミリ程度と言われています。
歯肉が下がることによるリスク
歯肉が下がることによって、主に3つの大きなリスクがります。
①根面う蝕(歯の根本の虫歯)
歯肉が下がったことによって見える歯の根は、柔らかい素材で覆われているため、 バイキンが付着すると虫歯になりやすいです。これが「大人の虫歯」です。
②知覚過敏
歯の根は柔らかい素材でできているため、冷たいものや歯磨きでの擦過など刺激に対して過敏になりやすいです。
③歯間に食べ物が詰まりやすくなる
歯と歯の間が広くなることで食べ物が間に詰まりやすくなります。
これが原因で間にバイキンが残ってしまい、 虫歯や歯周病が進行しやすい状態になってしまいます。
このため、歯と歯の間に歯間ブラシを通してバイキンを落とす必要があります。
歯肉が下がった時のセルフケア
見えてしまった歯の根は虫歯や知覚過敏など様々なリスクがあるため、適切なケアが必要です。
ブラッシングの際は、根本の歯肉のキワにシステマのような毛先の細かいブラシを当てて、バイキンを除去しましょう。
歯磨き粉は、根本ケアに適した成分が入っている「システマルートケア」やしみる症状がある場合には「シュミテクト」などがお勧めです。
広くなった歯間にはサイズの合った歯間ブラシを使用しましょう。
まとめ
「歯が長くなった」「歯茎が下がった」と感じたら、一度歯科を受診することをお勧めします。
細菌のコントロール・噛み合わせの二つの観点から、ご自身の歯肉退縮の根本的な理由を診断してもらいましょう!
放っておいてしまうと根本の虫歯や知覚過敏など様々な問題が起こってしまうためです。
また、見えてしまった根本には適切なケアが必要なため、ケアの方法や必要な製品をメインテナンスの際にお伝えします。
しっかりとお手入れをして歯肉が下がってきていてもトラブルの起きないお口の中を目指しましょう。
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