1歳6ヶ月児歯科健康診査について 〜「むし歯ゼロ」の大切なスタート地点〜
みなさまこんにちは!歯科衛生士の神です。
お子さまの歯科検診は受けられていますか?
さいたま市では、1歳6ヶ月児歯科健康診査と3歳児歯科健康診査が行われています。
本日は1歳6ヶ月児歯科健康診査についてお話させてください。
1歳6ヶ月歯科検診は受けましたか?
お子さまが産まれて、1ヶ月、4ヶ月、10ヶ月検診と行ってきて、1歳の誕生日を迎えてから久しぶりの検診が、1歳6ヶ月児健康診査です。
体や成長度の確認と一緒に大切になるのが、歯科健康診査です。
一般的に子どもの歯(乳歯)が生えはじめるのは、生後6ヶ月から9ヶ月頃。
下の前の歯から生え始めることが多く、1歳6ヶ月頃は、奥の歯が生えてくる時期の子もいます。
2歳から3歳頃には20本全ての乳歯が生え揃いますが、歯が出てくる時期や順番には個人差があるため、ほかの子と比べて心配しなくて大丈夫です。
なぜこの時期に歯の検診が必要なのでしょうか?
1歳6ヶ月のこの時期に、検診にお越し頂きたい大切な理由があります。
それは、この時期に乳歯(子どもの歯)が生えそろうからです。
「歯が生えそろうことがそんなに大切?」
と思われる方も多いかと思います。
「歯が生えそろう=「感染の窓」が開きます。
つまり、歯が生えることで、むし歯の細菌が住み着く宿ができたのです。
ここから3歳までに、むし歯の細菌がお口の中に定住しないことが、とても大切になります。
3歳頃には乳歯が生えそろいます。
そのころまでに、ご家庭での歯ブラシ習慣、おやつの上手なとりかた、衛生士さんと楽しく検診や予防をしていくことができるようになれば、その後、むし歯ゼロの永久歯になるための近道ができるのです。
1歳6ヶ月歯科検診では、何をみているの?
1歳6ヶ月のお子さまの検診では、「むし歯があるかどうか」だけでなく、次のような点も丁寧に確認しています。
■乳歯の本数と生え方
年齢に合った本数が生えているか、左右対称か、変わった位置や向きで生えていないかを見ます。
■お口の発達状態
かみ合わせや、くちびる・舌の動きなど、お口全体の発育を確認します。
■歯ぐきや粘膜の健康状態
赤みや腫れ、傷などがないかもチェックします。
■歯みがきの習慣や仕上げみがきの様子
保護者の方からお話をうかがいながら、無理のないケア方法を一緒に考えます。
■むし歯予防のためのアドバイス
食習慣、フッ素の使い方、歯みがきのタイミングなどについて、個別にアドバイスします。
特に、「お子さまが歯みがきを嫌がる」「生え方が気になる」「むし歯が心配」という保護者の方には、ぜひ受診をおすすめします。
仕上げみがきはいつから始めたらいいですか?
仕上げみがきは、最初の乳歯が生え始めたらすぐに始めるのが理想です。
多くの場合、生後6か月ごろに下の前歯から生えてくることが多いので、このタイミングが目安です。
生えたばかりの歯は弱く、むし歯になりやすいため、早い段階からケアが必要です。
またこの時期は、離乳食を始める方も多いと思います。
食事をしたら歯をみがく習慣にするものいいと思います。
小さいうちから習慣づけることで、お子さまが歯みがきを嫌がりにくくなります。
1〜2歳のお子さまは自分でしっかりみがくことができないので、大人の手助けが必要です。
仕上げみがきの始め方
■柔らかめの歯ブラシを使い、1日1回寝る前に行いましょう。
■最初は軽く触れるだけでもOK。まずは口に歯ブラシが入ることに慣れるのが大切です。
■子どもをひざの上に寝かせて、やさしく声かけしながら行うと安心感があります。
1歳6ヶ月児歯科健康診査をきっかけに、むし歯ゼロを目指しましょう
このように、1歳6ヶ月歯科検診は、単に、現時点でのむし歯の有無を知ったり、フッ素の塗布するだけでなく、将来、お子様がむし歯ゼロの、より良いお口の環境を得るために大切なスタート地点となります。
このスタート地点で、
■ご家庭での毎日のケアのコツ!
■予防用品の効率的な活用方法
■予防のための歯医者さんでの検診や、お掃除
■歯医者さん、歯科衛生士さんにいつでも相談できる環境づくり
が上手く行けば、むし歯ゼロ!を目指していくこともとても楽になります。
お子さまのはじめての歯医者さん。
保護者の方もドキドキがいっぱいだと思います。
はじめてなので、最初は大泣きをしてしまっても良いんです!ゆっくり一緒に歯医者さんに慣れていきましょう。
1歳6ヶ月歯科検診は「むし歯にならない習慣作り」が中心。
生活リズムや歯みがき習慣の「土台づくり」をサポートします。
気になることがあれば、いつでもご相談ください!
毎日の子育ての中で、お口のケアは、時には面倒に思えることも多いことと思います。
歯医者さんでそんな思いを伝えてみてはいかがでしょうか。
お子さんの健康なお口の成長に向けて、皆さんのお手伝いができたらとても嬉しく思います。
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