お口の中の菌の塊「バイオフィルム」について
皆様こんにちは!歯科衛生士の岡田です。
本日はお口の中のバイキン「バイオフィルム」についてです。
バイオフィルムとは何か、バイオフィルムがお口の中に与える影響などをお話ししていきます。
バイオフィルムとは
バイオフィルムとはお口の中の微生物の集合体です。
様々な種類の細菌が集まって作る膜のようなもので、細菌が自分を守るために作る物です。
排水溝のぬめりもバイオフィルムです。
バイオフィルムは時間をかけて作られます。
歯磨き後8時間たった頃から歯の表面に細菌が付着して増殖していきます。
そこから48時間後には急速に細菌が成長し、72時間後にはバイオフィルムになります。
バイオフィルムと歯周病
バイオフィルムはご自身では磨きにくいところや歯ブラシの入らない歯周ポケットの中で増殖します。
ネバネバと張り付いているので、うがいなどでは落ちません。
そして、バイオフィルムがそのまま張り付いていると歯周病の原因になります。
歯周病は歯を支えている骨が減っていく、日本人が歯を失う原因の第1位の病気です。
ですので、定期的にへばりついたバイオフィルムを剥がす必要があります。
バイオフィルムを落とす方法
特に長い間強固についたバイオフィルムは歯磨きだけでは落とすことができず、歯科医院の専門の機械を使わないと取り除くことができません。
当院では定期検診時にバイオフィルムが見えるように染め出した後に、エアフローにてバイオフィルムを歯を傷つけずに除去します。
エアフローについては以前のブログをご参照ください。
バイオフィルム内に届く歯磨き粉
バイオフィルム内に成分が届いて浸透、殺菌できる成分があります。
それが「IPMP(イソプロメチルフェノール)」です。
当院で販売している歯磨き粉「SPTジェル」に配合されています。
その他にも歯周病ケアに適している成分が配合されているため、歯肉の炎症の強い方や歯周病と言われた方にお勧めです。
IPMPについて詳しくは以前のブログをご参照ください。
→歯磨き粉の選び方 ~歯磨き粉の成分「CPC」「IPMP」って?~
まとめ
バイオフィルムと歯周病は深く関わっています。
バイオフィルムが付着すると、歯の表面がぬるぬるとして、そのままにしておくとバイオフィルム内のバイキンが活発に活動します。
お口の中で「歯石がついているのが良くない」と聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?
しかし、歯石は「死んだ細菌の塊」であるため、歯周病を直接引き起こす訳ではありません。
歯石の表面がデコボコしているため、その上にバイオフィルムが付着しやすくなることで、歯周病の原因となってくるのです。
ですので、バイオフィルムを剥がすことが1番重要です。
バイオフィルムは毎日の歯磨きと定期的な歯科でのクリーニングで落としましょう!
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