入れ歯の方必見!入れ歯と肺炎の深い関わりと入れ歯のおすすめ掃除方法
みなさん入れ歯にもプラーク(歯垢)やバイオフィルムなどの細菌が付着するってご存知ですか?
入れ歯だから大丈夫、歯がないから磨かなくてもいい、というわけではないのです。
入れ歯もご自身の体の一部でもあります。
天然歯と同じように入れ歯も口の中に入れることによって菌が付着し増殖します。
今回は入れ歯の清掃方法についてお話していきます。
入れ歯にはたくさんの歯垢がついている
まずはじめに、入れ歯を歯垢染色してみると…
染め出す前には一見解らないかもしれませんが、染め出すとこんなに歯垢がついているのがわかります。
このままにしておくと菌がお口の中から脳や心臓など体中をめぐって悪影響を及ぼします。実際に歯周病菌が脳の血管から検出された例も報告されています。
その菌が血管を詰まらせ、心筋梗塞や脳血管疾患などの全身疾患を引き起こす原因となるのです。
そして入れ歯を入れている方に特に注意していただきたいのが肺炎です。
入れ歯と肺炎は深い関係がある
上の図は厚生労働省が発表した年間の死亡原因での人口動態統計調査の結果です。(平成28年度)
1位 悪性新生物(がん)、2位 脳血管疾患 に続く3位が“肺炎”です。そして、肺炎で亡くなる方の95%が65歳以上です。
その肺炎の中で、約7割も占めているのが誤嚥性肺炎といわれる肺炎です。
誤嚥性肺炎とは、本来食道に流れるはずの食べ物や唾液などの液体が誤って肺に流れてしまい(誤嚥)、肺の中で炎症を起こしてしまうのです。
原因はお口の中の菌が増える、口の周りの筋肉が衰える、免疫力の低下等があげられます。
筋力、免疫力は生活習慣等、気を付けていても年齢とともに少なからず低下してしまうものです。
しかし、歯磨き、義歯のケア等でお口の細菌を減らすことはできます。肺炎を未然に予防するためにも自分でできる、身近な予防法です。
万が一、誤嚥したとしても細菌の数が少なければ、肺炎になる確率はぐっと減ります。
入れ歯による肺炎のリスクを抑えるために
さて、細菌と肺炎についてお伝えしましたが、高齢の方は入れ歯を使用されている方も少なくありません。
気を付けていただきたいのは、“入れ歯を入れている人は、入れ歯を入れてない人よりも誤嚥性肺炎のリスクが高くなる”ということです。
それは、入れ歯は天然歯に比べて、細菌が繁殖しやすいためです。肺炎予防のためにも、自分の歯はもちろん、入れ歯の清掃もしっかり行いましょう。
入れ歯のお手入れのポイント
入れ歯のお手入れのポイントをご紹介していきます。
■当院でおすすめしているドイツ式入れ歯テレスコープ義歯の清掃方法
おおまかなところは歯ブラシで天然歯と同じようにあてて磨きましょう。
歯の間や細かいところは歯間ブラシを通しましょう。
裏側の内冠と言われるところ(画像上)にはタフトブラシを使うといいでしょう。
とくに下の赤丸の個所は細菌が付きやすい箇所になります。ポイントをしっかりおさえて磨いてみましょう。
■保険の入れ歯の清掃方法
バネがついている保険の入れ歯は、その部分にバイキンが溜まりやすいです。入れ歯用歯ブラシで丁寧に磨きましょう。
また内側も見落としやすい箇所です。しっかりとあてて磨きましょう。
ご自身の歯と入れ歯を磨く歯ブラシは分けて使うといいでしょう。
入れ歯洗浄剤を使って、より清潔に
入れ歯を磨く際、ポリデントなどの洗浄剤も合わせて使うと、より殺菌効果が高まります。
福永歯科でも洗浄剤を取り揃えておりますので、お求めの際はお声かけください。
入れ歯でも細菌の足場となり、ウイルスや雑菌が繁殖してしまう原因になります。
ご自宅でできるケアとして入れ歯のお手入れは欠かせません。ぜひ上記の磨き方のポイントを参考にしてみてください。
また、ご自宅でケアを行っていても、天然歯と同じように歯ブラシでは落とせないバイオフィルムや歯石、着色などもついてきてしまいます。
歯磨きでは落とせないものは歯医者さんに診てもらいましょう。
福永歯科ではメンテナンスの際、入れ歯もお預かりして超音波にかけて洗浄を行っています。
着色なども専用の機械や薬剤を使用して落としますので、気になった際はお気軽にお声がけください。
埼玉県さいたま市 福永歯科医院