お口とタバコの関係
皆様こんにちは!歯科衛生士の岡田です。
皆様は、歯周病と喫煙が実は密接な関係であるとご存知ですか?
なんと、1日10本以上喫煙している人はしていない人に比べて、5.4倍も歯周病にかかるリスクが高くなってしまうのです!
その原因とリスクについてお話ししていきます。
喫煙と歯周病の関係
タバコを吸っていると、見た目上着色(ヤニ)が付くだけではなく、歯を失う原因の第1位である歯周病にも大きな影響を与えます。
①歯周病に気付きにくい
タバコを吸っていると歯肉が繊維化し、歯肉の腫れや出血が見た目上は抑えられ、ご自身で気付きにくくなります。
元々歯周病は、silent disease(静かな病気)と言われているため、さらに発見が遅くなり、気がついた時にはかなり進行した状態になっていることもあります。
②歯周病を悪化させる
タバコの煙に含まれるニコチンは、体の免疫機能の働きを妨げるため、歯周病菌に対する免疫反応も低下し、歯周病菌の増殖につながります。
また、ヤニが付くことで表面が粗造になったり、喫煙により唾液の分泌量が減ることで、自浄作用が低下しバイキンが付きやすくなります。
③歯周病の治療の効果を減少させる
歯茎の毛細血管が委縮してしまい、歯周組織の修復機能が低下することで、治療しても治りにくくなってしまいます。
喫煙とインプラント・テレスコープ
喫煙はインプラントにも影響を及ぼします。
喫煙している方のインプラントの脱落率は、喫煙していない人に比べて約2倍も高くなります!
その原因は歯肉の血行不良や感染のし易さにより起こる「インプラント周囲炎」が多いです。
インプラント周囲炎については以前のブログをご参照ください。
⇒インプラントも歯周病になる! ~インプラントのメンテナンスについて~
また、テレスコープ義歯の治療後のメインテナンスでは、土台の歯をどれだけ維持できるかが重要です。
しかし、喫煙していると前述したように、歯周病に大きな影響を与えるため、土台の歯を失う大きな原因になってしまいます。
禁煙の効果
禁煙することで、歯周病への罹患を約4割も減少させることができます!
それ以外にも、
・気管支の収縮が取れて、呼吸が楽になる。
・味覚が戻り、美味しく食事ができる。
・禁煙してから約10年で口腔ガンのリスクが喫煙していない人と同じになり、肺ガンやその他のガンのリスクが低下する。
などのメリットがあります。
まとめ
タバコを吸う人は吸わない人に比べて、歯周病にかかりやすく、進行も早く、治療しても治りにくいことが分かっています。
しかし、禁煙して歯周病の治療を行うと、約1年後には歯肉は本来の健康な状態に回復していきます。
全身の健康のためにも、ご自分の歯で一生美味しく食事をするためにも、喫煙について今一度考えてみてはいかがでしょうか?
埼玉県さいたま市 福永歯科医院
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